「花の回廊」
宮本輝氏の自伝的連作長編、「流転の海」の第5部です。
氏の作品は学生の頃、「青が散る」に出会って以来読むようになりました。
数々の作品の中でも、この「流転の海」の一連の作品には特別な思い入れがあります。
最近、雑誌のインタビューの中でこう述べられておられました。
「人生にはもっともっとふかい、むずかしいものがあるんだ。いわくいいがたいことがいっぱいあるんだ。それをなにか物語というわかりやすいものに託して、託すというかそこに沈めていくものが文学だろう」
それを僕なりに学んでいるような気がします。